われはロボット(I, Robot)アイザック・アシモフを読んだ
SFの名作中の名作ですね.
アシモフによって考えられたロボット工学三原則をご存じの方も多いのではないでしょうか?
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
この本の構成は短編集となっており,ロボット工学三原則を軸に話が展開されていきます.
基本的にロボットはロボット工学三原則に基づいて行動します.つまり,命令を与えられて行動を起こす必要がある場合,原則に最も適した行動を選択する必要があります.そこで,一定時間内に,無数の行動パターンの中からベストな解を探索する必要があるのですが,探索が同じ箇所を繰り返したり,探索が止まってしまうことがあります.このような状態に陥るとロボットは暴走したり停止してしまいます.
これを回避するために,人間はロボットに命令を与える際に,探索する必要がある空間をできるだけ限定し,命令の意図を明確にする必要があります.
(フレーム問題ってやつですね)
この本の中では,ロボットにこのような問題が起こり,人々に対して不利益をもたらすケースが記されています.
あーーーーーーーーーーーなるほど!!と推理小説を読んでいる気分になり,その度にアシモフが半世紀も前によくこれだけの話を考えられたなと驚愕しました.